「星間旅行 / 池澤夏樹」の詩を読んで。

“時が降ってくる 小さな粒子が鉛直に降下して

微光を放ち分裂し 消滅し

電荷を分って散乱をくりかえす

気まぐれな軌道を素早くたどり 下方の重い暗黒の中へ飛び去る”

オッペンハイマーかと思うぐらい、 粒子の粒が見えてくるような詩の冒頭。

“夢の毒はすぐに日常の外へあふれ出す”

宇宙のスケール、科学の神秘がたて続けに書かれ、 自分の存在がわからなくなっているような詩。

古本屋で購入。今まで池澤夏樹の詩ってあまり読んだことなかったけれど、 こんな尖った人だと思ってなかった。