本を書くことについてのエッセイ。 実体験を元に、著者の人となりがわかる文章でとても良いZineだった。
“本の世界というのはざまなジャンルや過去の古典の積み重ね、そしてそれを流通させるネットワークと読者、 さらには図書館や古本屋などによる大きな生態系と言えます。”
“そのネットワーがあるからこそ、 一目が生き、売れるのです。つまり、一冊一冊の本は、その生態系を作る一本の木の ようなものだと言えるでしょう。”
“では書き手にとっての幸せとはいったいなんでしょう。書き手にとっての幸せの一つは 精神的成長です。書くことは自分の有限性を教えてくれます。自分の限界を知りその中で精一杯やることが一種の精神的成長だとしたら、書くことはおおいにそれを教えてくれるでしょう。”
“例えば、ライターとして専門家の意見をわかりやすく伝える、インタビューでインタビューイーの言いたいことを引き出して表現する、自分で作った雑誌で顔の見える範囲の人たちのことを、同心円を広げるようにもう少し広い範囲に届け、つながりを作る。私をアピールするのではなく私が一種のハブとなる。いずれも人を喜ばせることで味わった喜びでした。”
“書く喜びのどの部分が満たされたのかを自覚しておくことは、書き続ける上で大事なことだと思います。”
“書き続ければ、読み続けてくれる人が出てきます。そして、読者の存在を信じるためには、書くしかありません。”
“読者は自分自身です。自分で自分を楽しませ、喜ばせられる、それは何よりも素晴らし いことではないでしょうか。そして、あなたが自分の作品で満足を感じるようにそれが発 表されているなら同じように感じる人がいるのです。まず自分を楽しませましょう! それは自分にしかできないことなのですから。”
怒れない人のための怒り方みたいなのも印象的だった。 「ウィークネス・フォビア」という言葉も、このZINEのおかげで初めて知れたな。
出版: 夜学舎 twitter.com/yagakusha 買った場所: 堀川ビルヂング
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